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2005/01/17

大学受験     ( 3-3 )

  色々内面的葛藤はあったが、それでも表面的には、しごく穏やかに学園生活は過ぎていった。 学園祭、音楽祭、体育祭と行事も盛沢山の中に、二年間は瞬く間に過ぎていった。 
 大学受験が近づいていた。 O校では女子校ではあったが、大学受験は当たり前であった。 どの大学に行くかだけが問題だった。
 "どこにしよう" 当時の私の成績はあまり良くなかった。
 「私立のW大にしたら。 先輩もいっぱい行っているし、皆大学生活を楽しんでいるわよ」とC教師が言った。

 しかし、"大学生活を楽しむ" という発想に、当時の私は反発を覚えた。 自分を厳しく鍛えてくれるところに、自分の身を置きたいという漠然とした願いがあった。私が東大を受験したいと言った時、C教師の反応は冷ややかだった。
 学年初めの学力試験では10数番だった私の成績順位は、日を追って下がって、その頃は学年で30番位を低迷していた。 当時O校から東大に受かるのは10人前後だった。浪人してでも行きたいという私の希望にも、先生は余り乗り気ではなかった。
 
 女子が浪人するという事自体、C教師は反対だった。 しかし、D教師は私の希望を認めてくれた。  
 「やりたいようにやってごらん」
 その頃、私が東大にこだわったのは、今考えると、大した根拠があったわけではない。父と姉が出た大学だったので、一番親しみが持てたことと、過去の大学入試問題を解いてみて、他大学に比べて、東大の問題が一番解きやすく感じたためだ。 その時解けなくても、自分なりに頑張れば解けると思えた。

 一次試験は、ごく基礎的な問題だった。 でも結果を見るまでは、心配だった。もし、一次で落ちたら “みっともない” という見栄があった。 
 一次は受かっていた。 さあ二次、私の力がどこまで通用するか、少々楽しみでさえあった。 当日、思ったより難しくないと思った。
 「やさしいと思ったときは、落ちる」 
 誰かに聞いたことがあった。 私は上滑りをしていたのかもしれない。
 結果は不合格だった。 しかし、落ちたと知った時、私は余りがっかりしなかった。
これで、公立高校、一浪、東大の最もオーソドックスな路線に私も仲間入りできると思った。

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