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2005/06/17

神戸見学   ( 4-42 )

 神戸では、港の埋め立てと六甲山の住宅造成現場を視察した。 延々と見渡す限り続く造成地の中で、何台ものブルドーザーがうなり、将来の団地の基礎造りをしていた。 神戸の地形は、海と山が迫り、その間に挟まれたせまい平野部は、当時でも既に飽和状態で、新しい住宅の大量の供給が望まれていた。 その為に、山を切り開き、その土で海を埋め立て、山と海の両方に、新しい住宅団地を造るという計画だった。

 山の残土をダンプカーで運ぶとき、市街地の交通体系を壊すというので、山の上から海岸線までベルトコンベヤーが作られていた。 しかも、市街地部分は地下を通すというものだった。 この雄大、かつ綿密な計画を構想し、押し進めた前市長原口さんに私は敬服した。 この市長を選んだ神戸市民は賢明だとつくづく感じた。 “技術屋”魂を体現したような原口さんは、また本四架橋にも並々ならぬ情熱を注いでいた。

 工事現場を案内してくれた技師は、
 「自然を破壊すると批判される面もあるのは承知していますが…」と弁解するように言った。
 「家の無い人に、家を提供するのは、立派な仕事だと思います」
私は原口さんの肩を持ちたかった。 その技師はヘルメットの奥で、にっこり笑った。 きっと、彼も同じ考えを持っていたのだろう。

日中土木技術交流協会 会報第7.8号

名古屋.大阪にて       nagoya この仕事は、最初から最後までずっと楽しかった。 私の日本認識を改めてくれた。中国の団員の方には“視察”だったが、私にとっては“見学”であった。

 私は随行していた時、白いブラウスに紺のスラックスだった。 そんな私に、時々日本側スタッフが話しかけた。 

                                   視察行程表(5/26~6/30 ) kengakutizu  

 「日本語お上手ですね」私は困った。嘘をつけず、  

 「私は日本人なんです」

 するとその人は、ひどくばつの悪そうな顔をした。 そこで私は以後、次のように答えることにした。

 「ええ、まあー 、 あの急いでますので」と言って、団員の中に紛れ込むのである。 こんな私を見ていて、旅行社から派遣されていた随行員がからかった。

 「山川さんは、まるで富士山みたいですね」

 「え? どうして?」

 「だって、恥ずかしがって、直ぐ雲の中に隠れてしまうじゃないですか」

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