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2005/11/07

黄河太鼓

 先週金曜日、パルテノン多摩 ( 多摩市 )で、黄河太鼓を聴いてきました。

 和太鼓の源流・・・、1400年の歴史を経て・・・、農民の間に代々受け継がれた・・・、日本初公演・・・等々のキャッチコピーに惹かれ会場に足を運んだ。

 二胡奏者でもある司会の許可さんの説明によると、黄河上流域の農村に戦国時代からあった伝統芸能で、本来は農作業の応援、休憩時の娯楽として発達してきたものだという。< 世間話 >、< ネズミの嫁入り >、< 犬が鴨を追いかける >など、農村の日常生活を題材にユーモラスに描写していて、ほのぼのと楽しめる。< 黄河太鼓の韻律 >など聴いていると、日本の祭りとオーバーラップしてくる。

 私は以前から和太鼓の響きが好きだった。太鼓の響きは胎児が聞く、母親の心音に似ているという説を聞いた事がある。世界各地に脈々と受け継がれている太鼓文化を見ればむべなるかなと思う。私は本能に素直に反応する人間なのかもしれない。しかし今回は、より身近に、歴史の継承を実感した。

 黄河と一口に言っても、下流から上流へさかのぼると流れの様相は一変する。激しく逆巻く激流に抗して、船を遡上させるのは、かっては人力に頼っていた。船につけられた綱を、多くの船曳きが渾身の力で引いたという。黄河太鼓は、その動きを統一し、力付けたという。

 < 黄河の船曳き >は、荒れ狂う黄河の濁流と戦っている、力強い人々の息吹を私達に直接感じさせてくれる。

 唐の事実上の創立者李世民は、軍隊の士気を高め、動きを統一させるためにこの黄河太鼓を活用したという。そのため黄河太鼓は唐の朝廷で洗練された形で儀式の時に演奏された。( それを見た遣唐使が日本に持ち帰り、雅楽として今日に伝わるという )

 < 秦王による兵の招集 >は、力強い大地の鼓動ともいえる当時の闘いの息吹を良く伝え、私達観客は息を呑み、圧倒された。

 終演後会場は、なりやまぬ拍手に包まれた。日本で言えば、中学生、高校生の年代を中心とするという団員の顔も汗と笑顔で輝いていた。1400年の時を経て、心と心が触れ合えた瞬間だった。

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