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2005/12/09

三丁目の夕日

 先日、「ALWAYS 三丁目の夕日」を見てきました。久しぶりに娯楽映画の王道を歩いている作品に会った気がしました。だいぶ前、新聞に載っていた映画評で見かけ、是非見たいと思っていました。評論で賞賛されているからと言って、直ぐ見に行くほど私も単純ではありません。過去に何回も、評論と実物の落差に失望した経験があります。そもそも評論家と自分自身の感性が同じである保障は何処にも無いのです。

 では何故これを見ようと思ったのか。それは時代背景でした。昭和30年代の東京の下町の市井の人々の生活が丁寧に描かれている。この言葉に惹かれました。時代への郷愁でしょうか。

 舞台は、建造中の東京タワーが見える下町の商店街。集団就職で上京し、この町で働くことになった少女とその周りで繰り広げられる、いくつかのエピソード。出てくる男の子は、私のクラスにも普通に居たような子だし、そのお父さん、お母さんもごく普通に居た感じだし、街の住人にしても近くの町に行けば何処でも会えたような人たち。展開する出来事もさして特別な事件でもない。

 なのに何でこんなに何回も涙があふれ、何度も声を出して笑ってしまったのだろう。映画が終わった後も、しばらく席を立たず余韻に浸っていたのは何でだったんだろう。 私は久しぶりにだいぶ涙を流したので、翌日まぶたがさぞ腫れていると思って、恐る恐る鏡を見た。それが、意外に何でもなかった。

 その時、私は、この映画の良さが解ったような気がした。ほどほどの塩梅とでも言おうか。人間の喜怒哀楽に自然に調和しているのだ。過度の誇張もなく、無理な展開もなく安心して展開についていけた。そう・・・。とっても人間らしかったんだ。
 そんなに豊かでは無かった。でもみんな夢を持っていた。人と人も根底で信じあえていた。人間が主人公の時代に久しぶりに戻っていたんだ。

 今の時代は何が主人公なんだろう。直ぐに答えが浮かばない。ただみんなが、何かにせきたてられているような焦燥感を感じるのは、私だけなのでしょうか。    

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