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2006/06/30

14.爆竹遊び

お正月のご馳走を食べ終わると、男の人はタバコを吸いながら、恒例のマージャンを始めます。女の人は、炒ったカボチャやスイカの種子をかじりながら、テレビに出ている人気歌手やタレントのゴシップの情報交換に盛り上がります。しばらくすると、部屋の中はタバコの煙が充満し、マージャンパイを混ぜる音、言い争う声、笑い声が混ざり合いこれこそ春節といえるにぎやかな雰囲気に包まれます。

 子供達は、春節前から準備しておいた爆竹を持って、外に飛び出します。言い伝えによると大晦日の夜12時に“財神爺 (福の神) ”が空から降りてくるので、皆で揃ってお迎えし、手厚くもてなさなければいけないのです。もう10時を回っていたのですが、子供も起きていなくてはいけないので、この日ばかりは、遅くまで外で遊んでもいいのでした。

 この日、私は“永生”という名の男の子とずっと一緒に遊んでいました。その子は、親族の関係からは私のおじに当たるため、中国的にはおじさんと呼ばねばならなかったのですが、実際には私より一歳年下でした。そのため私はどうしてもおじさんと呼べなくて永生と呼んでいましたが、そのうち周囲も認めてくれるようになりました。

 永生は爆竹遊びの名人でした。お店から買ってきた爆竹の束を一つ一つばらばらにしてビニール袋に詰めて持っていましたが、私にも分けてくれて遊び方も色々教えてくれました。様々に改良して、時には皆のどぎもを抜くような事をやってくれます。雪の上に爆竹を固定し火をつけた瞬間、卵の殻でふたをすると、殻が四方八方に飛び散ります。気の小さな私は頭を抱えて“わぁー”と叫んで逃げようとした弾みに、足元の雪の凍ったでこぼこ道に足をとられ派手に転んでしまいました。永生はそれを見ておなかを抱えて大笑いするのです。

 永生の奇抜な遊び方にたくさんの男の子達が引き付けられて寄ってきました。皆競ってより危険な遊び方を考え出します。爆竹にコップをかぶせてパチパチはじける火花を見たり、屋根の上に打ち上げたり、壁に命中させたり、遠くに飛ばしたりやりたい放題です。終いには、手の平の上で破裂させたりし出します。私はこわごわ皆の後ろから覗いていました。 (中国では毎年爆竹遊びによるけが人が大勢出るそうです)

 私達が夢中で遊んでいるうちに、だんだん爆竹の音もまばらになり、外で遊んでいる子供達も少なくなりました。家々の台所の窓が開けられ、大きな爆竹の束が外にぶら下げられます。財神を迎える準備が整ったようです。永生は未だ遊びに夢中でしたが、私はそろそろ飽きてきたので家に戻りました。

                                            ( 続く)

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