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2006/07/17

14.爆竹遊び  続々

 突然、門を激しくたたく音がしました。どうやら永生は夢中で爆竹遊びをしていたのですが周りがいやに静まり返り、子供達もいなくなっているのにはっと気が付いたようです。急に怖くなって帰ってきたみたいです。

 ところがもう神様をお迎えした後です。祖母は家の中でカンカンに怒っています。

“必ず十二時前に家に帰ってくるようにあれほど言ったのに・・・”祖母は、門を開けないで永生を家に入れる方法が思いつかなくておろおろするばかりです。誰かが、永生に大声で叫びます。

“台所の窓から入っておいで、僕が手伝ってあげるよ”


 何という見事な解決方法でしょう。皆台所に殺到し口々に永生に指示します。でも窓は地面から高く永生にはとても届きません。色々考えた末、あの硬貨に当たったお兄さんに白羽の矢が立ちました。皆でお兄さんを抱えると、その小さな窓から突き出しました。お兄さんは外に出ると、永生を抱きかかえ家の中に送り込みました。その後、そこらじゅうに在るものを手当たりしだい積み上げてその上に登って何とか窓から帰還しました。

 このようにして全員の知恵を振り絞り三十分ぐらい掛けて、涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔をした永生を無事家の中に救出する事ができました。皆ほっと一息つくと同時に、顔を見合わせて大笑いしました。

 祖母はため息をつきます。“せっかくいらしてくれた福の神様が窓から出てしまったかもしれないねえ・・・”

 何はともあれ、大晦日はこのように過ぎていきました。この話は、以後毎年お正月になると持ち出され笑い話の種になります。

現在も神様を迎える伝統行事は行われていますが、当時のような真剣さはなくなりました。今の子供達は大事にされているので、一人で外に出て爆竹遊びをするなど考えられなくなりました。

私が大人になったせいもあるでしょうが、春節も当時ほど面白くなくなった気がします。

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