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2006/08/25

15.小学校入学  続

 小学校から合格通知が届くと、大叔父は大喜びでその日のうちに、通学かばんと大きな弁当箱を買ってくれましたが、弁当箱を入れただけでかばんがぷくっと膨らんでしまいました。

 それから数日して大叔父に連れられ、空っぽのかばんを肩に掛け教室に行き、私の小学校生活は始まりました。入学式も無く、新しい服もお祝いの言葉もなく、今の子供達に比べるとなんとも物足りない学校生活の開始でした。

 “授業中は、発言したい時は必ず手を上げなさい。先生が指名したら、発言を許可します。分かりましたか?”先生が言いました。

 “分かりました!”皆異口同音に答えます。私も精一杯大きな声で

“分かりました!”と叫びました。続いて先生は何か説明しながら、黒板に字を書いていくのですが、私には先生が何を言っているのかさっぱり分かりませんでした。そのうちに、黒板そのものに注意が移ってしまいました。大きな板が真っ黒に塗られていて、未だ墨のにおいもしてきます。廊下側の窓ガラスには大きな穴が開いていて、見ているうちにおなかがすいた化け物の口のように見えてきます。・・・

 先生が質問をしました。周りの人が静かに挙手します。皆背筋をピンと伸ばし、手をまっすぐに高々と上げています。私はそのとき先生が何を質問しているのかぜんぜん分かっていませんでした。でも皆の真剣な表情に釣られて、身体をしゃんとして、思わず手を上げていました。

 先生は教室をゆっくり見回した後、一番前の席に座っている小さな私に目が止まりました。

“それでは李浩さん、答えて御覧なさい”

その瞬間、教室中の視線が私に集まったのが分かりました。先生も微笑んで一寸首を傾けて私の答えを待っています。私は勢いよく立ち上がったのですが、急になんだかとてもおかしくなって、思わず笑い出してしまいました。もちろん先生の質問にも答えられませんでした。何日もこんな頓珍漢な事ばかり繰り返したので、ついに先生が言いました。

“李浩さんは授業を受けるのに慣れるまで、教室の一番前で立ったまま聞いてなさい!”

そんなわけで、背も飛びきり小さな私は、いつも教室の一番前に立たされ、何につけ一番目立つ人になってしまいました。

 
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 しばらく浩さんの物語をお休みしていました。理由は、今浩さんが資格試験の受験勉強の真っ只中だからです。中国の東北地方出身の浩さんが、東京の夏を扇風機だけで過ごしているので大変みたいです。又お子さんは夏休み、お仕事も続けているし・・・・。

 

 試験が終わったら又書いてくれるとのことなので楽しみにしています。

 

 

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