« 異文化コミュニケーション | トップページ | ご近所の散策 »

2006/08/07

白馬岳散策

 関西に住む息子は、六甲登山昂じて、目下、日本百名山踏破中である。それに対して私は、もっぱら山腹のお花畑の散策に特化している。先週は北アルプスの白馬岳に行ってきた。昨年も行ったのだが、大いに気に入ったので再度訪れたのだ。

一日目は宿舎に到着後夕食までの数時間、山麓の林を歩いてみた。水ナラ、瓜肌カエデなど東京では高尾山にいっても珍しい木が、いたるところにさりげなく生えている。やはり山岳地帯に来たのだという感慨が沸いてくる。

二日目は栂池自然園に行った。栂とは大シラビソのことで、多雪地帯に適応した松科の樹木だ。昨年はロープウェイから見渡す限り、枝という枝に紫色の葉巻のような形の松ぼっくりがびっしり付いていて、ある種の感動を覚えた。それが今年は一つも見当たらないのだ。時期が早かったのかなあ。今年は全般に花が遅いし・・・。それにしても未熟の小さな松ぼっくりが付いていてもよさそうなのに。色々自問自答していると、案内の人が説明してくれた。

“今年は実が付かない年で、自然園全体で未だ3つしか見ていません”生り年という言葉は聴いた事がある。しかし、ここまで徹底してるとは思っても見なかった。これでは昨年の豊作で増殖した、オオシラビソを食料としている生き物にとって、今年の秋や冬はかなり厳しいものとなるだろう。

終点についてしばらく歩くと最初の湿原に出る。昨年の、花園に投げ込まれたような感動が蘇り足が自然と早くなる。しかし今年の湿原は花が少なかった。圧倒する緑のそこかしこに黄色い花が点在している。しかし寂しい限りだ。注意深く観察すると、蕾はたくさん付いていた。やはり今年は、ここでも花の開花が遅いようだ。歩くうちに、水芭蕉や白根アオイなど春先の花がそこかしこに咲いている。風穴付近は雪が多く残り、滑らないよう雪道をおそるおそる歩いた。昨年は風穴の内部に少し残っていただけなのにえらい違いだ。そういえば、息子が5月の連休に甲武信岳を登った時、途中から腰までの雪道になり苦労したと話していた。自然は平均値で推移してくれないから十分な注意をしないと危険だ。

水芭蕉というと尾瀬、そしてあの有名な歌が思い出されるが、私にはもう一つ必ず思い出す事がある。歌が大ヒットした頃、母がよく言っていた。

“昔は家の近くの水溜りなら何処でも普通に見られたものだよ”母は根室の人だったので、東京近郊では高山に行かないと見れない花が、北海道では平地で見れたらしい。利尻、礼文の花めぐりもこれをうまく利用したものだろう。苦労して高山に登らなくても、素晴らしい高山植物に出会えるという。とくに中高年の足の弱い人にはお勧めの裏技である。

山の夏は短い。帰京してから一週間。多分今頃、湿原は夏の花で彩られているのだろう。ひょっとしたら、数枚見られたナナカマドの紅葉ももっと進んでいるかもしれない。

|

« 異文化コミュニケーション | トップページ | ご近所の散策 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 白馬岳散策:

« 異文化コミュニケーション | トップページ | ご近所の散策 »