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2006/09/08

クマゼミ

 もうだいぶ前の事になるが8月の中頃、近所の緑地を通りかかった時ジージーという油蝉の声や、ミンミン蝉の声に混じってシュワシュワという聞きなれない声が耳に入ってきた。記憶の奥から取り出されたような奇妙な感じがした。

 未だ子供達が小さかったとき、過ぎ行く夏休みを惜しんで、三浦半島の油壺に連れて行った事があった。残暑の照り返しを避けて林に入った時、耳を圧倒したあの音だった。道端には、今まで見たこともない大きな蝉があちこちに落ちていた。短いが精一杯燃え尽きた生命。私にとっては強烈な印象だった。後になってからそれはクマゼミ(熊蝉)といい、日本でも比較的南方に生息する蝉という事を知った。三浦半島は海流の影響で比較的暖かなため生息しているのだろう


 それがわが家の近所にいたことに少なからず驚いたが、クマゼミの事は毎日の雑用の中でそのまま忘れていた。それが数日前、道端でばたばたしていたのを見かけた。クマゼミの夏は終わったのだな、と少々感傷的になる一方、このクマゼミと8月鳴き声を聞いたクマゼミは違うかもしれないと思った。なぜなら2つの場所はずいぶん離れていたのだ。もしかするとクマゼミにとって、我が家のある東京西部の丘陵地は充分生息可能な地域に変わってきたのだろうか。

 似たようなことは、ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)でも経験した。この夏、我が家の庭にも、何回かこの美しい蝶が飛んできた。最初は嬉しくて写真をとりまくった。でも23度と訪問が重なると慣れてしまった。

“ああ又ね・・・”程度の感じだ。近所を散歩していても良く見かけた。去年までこんな事はなかった。

 この蝶も南方系で日本では三重県以西に分布と図鑑に書いてある。以前にも郊外を歩いている時見かける事があったが、とても珍しいものを見れてラッキーという感じだったのに、この夏はアゲハチョウ並みに良く見かける。地球温暖化が駆け足で進行している指標でないといいのだが・・・・・・。

 余談だが、この蝶は雌のほうが美しい。一般に自然界では、害敵の目に付く危険を避けるためか雌のほうが地味で目立たない事が多い。それがこの蝶は、雌のほうが目立つ配色だ。何でだろうと気にかかっていたら、“毒があるので鳥達が敬遠するカバマダラにそっくり”ということだ。逆転の発想である。

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