« ナンバンギセル(南蛮煙管) | トップページ | トラックバック有難うございます(蟻の兵隊) »

2006/09/14

爽やかでした

 8月に見た映画がトラウマになって、もう映画なんて当分見たくないと思っていたのですが、評判がとても良かったので9月に入って2本の映画を見ました。それぞれまったく違う映画だったのですが、爽やかな風が心の中を吹きぬけてくれました。

 『時をかける少女』

 煌めく青春の一こまを掬い取ったような懐かしさ、いとおしさ。青春の真っ只中にいる時は、日常のあわただしさとか煩雑な雑事とか、思春期の悩みとかで意識することもなく過ぎてしまった日々の輝きを、はっと思い出させてくれたような・・・・・そんな作品でした。

 

 色彩も美しく、作画も丁寧で細部まで心が行き届いているなと感じられました。登場人物の性格描写も人間性への信頼に裏打ちされ安心して感情移入できました。『となりのトトロ』や『おもひでぽろぽろ』に通じる世界に久しぶりに浸れた楽しい時間でした。


    『蟻の兵隊』

 この映画の存在を知ったのはかなり前でした。とても良いから是非見るようにと何回も薦められました。それでも私は行きませんでした。より正確に言うと、行けませんでした。

  ・・・・中国へ侵略した元日本兵にまつわるドキュメンタリー作品・・・・・。

そう聞いただけで、私には充分すぎる重圧感と、悲惨さが予想され本能的に足が向かなかったのです。私には臆病なところがあります。ある限界を超えた怖いもの、悲惨なものを正視する勇気にかけているのです。原爆の悲惨さを訴える展示会などもつい最近まで足が向きませんでした。道端で蛙が轢かれていたのを目にしても、当分その道は歩けないくらいなのです。

 そんな私が、進んで見に行く気になったのは、インターネットのユーザーレビューに寄せられている何人かの方の感想を目にしたからです。

“見に行こう、是非見たい!”その後の行動は私にしては迅速でした。東京での唯一の小さな上映館を探し、遅れないように早めに家を出ました。

充分間に合ったのが良かったのか、悪かったのか。何篇かの予告編までバッチリ見る羽目になり、その猥雑さ、未完成度にうんざりした頂点でこの映画が始まるという最悪のタイミングになってしまいました。そのせいもあり始めのうちはなかなか、映画自体になじめず冷めた目で見ていました。

 それがいつの頃からか、胸に何か熱いものがこみ上げてきて、目には涙があふれてきました。戦争の悲惨さを辿っている旅なのに、見終わった後に残った気持は     ・・・・・・・・・爽やかさだったのです。

 素晴らしい作品だと思います。これを作ってくれた監督と協力してくれたすべての人に心から感謝したいと思いました。これはすべての日本人が見るべき映画だと思いました。

|

« ナンバンギセル(南蛮煙管) | トップページ | トラックバック有難うございます(蟻の兵隊) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 爽やかでした:

» 『蟻の兵隊』 [京の昼寝〜♪]
第2次世界大戦後も中国に残留し、中国の内戦を戦った日本人2,600人もの日本軍部隊があった。 奥村和一・80歳、人生最後の闘いに挑む ■監督 池谷薫■キャスト 奥村和一、金子傳、村山隼人、藤田博、百々和、森原一、宮崎舜市、増本敏子、奥村寿□オフィシャルサイト  『蟻の兵隊』  第2次大戦終結後も中国から帰国できず、中国国民党と共産党の内戦に巻き込まれた日本兵たち。 �... [続きを読む]

受信: 2006/09/21 12:35

» 蟻の兵隊 生き証人が生き証人を追う重みと勇気 [もっきぃの映画館でみよう]
タイトル:蟻の兵隊(池谷薫監督) ジャンル:ドキュメンタリー/2005年/101分 映画館:第七芸術劇場(96席) 鑑賞日時:2005年9月24日 60人 私の満足度:80%  オススメ度:100%この作品が多くの人に鑑賞されることを望みます。 東京では11週間のロングラン、大阪でもアンコール上映で やっと見る機会に恵まれました。梅田(大阪)からさらに乗換て いかなれけばならないこの映画館は、ちょっと行きにくいのですが この日は、昭... [続きを読む]

受信: 2006/10/09 21:13

« ナンバンギセル(南蛮煙管) | トップページ | トラックバック有難うございます(蟻の兵隊) »