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2007/04/02

サクラと日本人

この季節、日本列島はサクラの開花情報に振り回される。私も例外ではなく、一番きれいな時にきれいな場所に花見に行きたいと待ち構える。

世の中に絶えて桜のなかりせば

       春の心はのどけからまし(平安 在原業平)

・・・の心境になる1週間余りである。

何で日本人は、こうもサクラ好きなんだろう?少し文献にも当たり考えてみた。

おもなサクラの関係は以下のように考えられている。


バラ科>サクラ属>ヤマザクラ(山桜)

                    ヤマザクラ・・・・関東以西

          オオヤマザクラ・・東北、北海道

                    オオシマザクラ -|・・伊豆大島

                  エドヒガン       _|-ソメイヨシノ


今日ではサクラといえばソメイヨシノ(染井吉野)と思われがちだが、このソメイヨシノの歴史は意外と短い。江戸末期、駒込の染井にある植木屋から売り出されたもので、当時のサクラの名所、吉野の名前をパクッたものの、吉野のサクラは主としてヤマザクラだったため、区別の必要から前に染井をつけたという。

生長が早く、育てやすい。葉に先行して花だけが一斉に咲き華やかなどの理由で植木業界でもてはやされる事になる。エドヒガン(江戸彼岸)とオオシマザクラ(大島桜)の雑種と考えられるが、不稔のため種ができず、挿し木・接木で増やすしかない。今で言うクローンである。

 幸い、片親のエドヒガンはサクラの中では長寿で知られ、樹齢1000年を越す現存の木もあるという。しかし接木を繰り返し、多くは街中という苛酷な環境の中で育てられているため、ある時全国一斉に寿命が切れて枯れ果てるという事態は覚悟しておいたほうがいいだろう。

 ソメイヨシノ以前、サクラといえば山桜であった。現在でもこの時期、日本全国何処に行っても、雑木林で春を華やかに告げている。

山桜は自家不和合性(近親婚を避ける)があり、個体差が大きい。花はふつう白色だが淡紅色、濃紅色と変化に富み、若芽も紅紫、褐色、黄緑、緑と木ごとに微妙に異なり、実に多様性に富む。これは自然界で種の存続に重要な意味を持つという。

 サクラは、生態学的には、先駆樹種(パイオニア)である。陽光を好み初期の生長が早い。森林が伐採された跡地にいち早く出現する。

日本列島に、農耕文化が芽生えていらい長い間、日本人が作った文字“畑”が火と田の組み合わせである事からも想像できるように、人々は原始の森に火を入れ、農耕地を開墾してきたのだろう。畑や家々の周りには山桜がいち早く芽生え、生活が安定した頃華やかな花を見せてくれる。


厳しい敵対者であった自然が、優しい保護者に変わった象徴であったのかもしれない。私達がサクラに感じる気持ちには、あるいは先祖のDNA(遺伝子)が組み込まれているのかもしれない。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^       “これって産直”のその後の報告。

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