« 偽 と 信 | トップページ | 明けましておめでとうございます »

2007/12/24

精進湖

 冬の旅行は何かと億劫で、以前はせいぜい温泉三昧ぐらいしか魅力を感じていなかったのだが、去年ぐらいから少し変化が生じた。紅葉も過ぎ、木の葉があらかた散った山野は野鳥観察には絶好の季節となる。人影もなく静まり返った森の中に様々な野鳥の声が響き渡る。鳴き声だけで直ぐ何の鳥か判別できる技もない私としては、気配を追って必死に林間に目を凝らす。珍しい鳥を見つけた時は、心踊る気持ちになる。

今回は、西湖畔の野鳥の森公園から、遊歩道を歩き紅葉台に寄り、東海自然歩道に出て精進湖にいたるルートを選んだ。

東海自然歩道といえば、未だ小さかった息子二人を連れて山中湖から朝霧高原まで歩いた事がある。平野から忍野に抜ける山道は意外と時間がかかり、山中で日が暮れ何とか見つけた別荘で電話を借りて、その日の宿に予定していた忍野の民宿の人に車で迎えに来てもらった。もう辺りは真っ暗で、前方影絵のような富士山に登る人の持つランプが光の帯となって幻想的に浮かび上がって見えた。


Kannban1 翌日は足和田、紅葉台と尾根歩きで精進湖民宿泊まり。次の日は精進湖からパノラマ台越えで本栖湖に出た。最終日は朝霧高原だったが、そこで予定外の台風に追いつかれ全身びしょ濡れで当日宿泊予定の民宿にたどり着いた。 

悪い事は重なるもので、予約を取ってくれた若夫婦が急用で東京に出てしまったとかで、留守のおばあさんには引継ぎができていなかった。おかげでおばあさんの夕食用と見られる干物と漬物、味噌汁にご飯という質素な食事だった。

夜半吹き荒れる暴風雨でガタガタ、ミシミシ、ギーギー揺れる民家の中で、息子達は台所でおばあさんが出刃包丁を研いでいないかひそひそ話し合っていた(ドリフの見すぎ!)。

幸い一夜明けると台風一過の晴天で、久しぶりに乗ったバスの車窓からは広々と続く牧場でのんびりと草を食む牛の姿や、気の早いススキの穂が朝日に輝くのを眺めながら富士宮から国鉄(今のJR)に乗り帰路に着いた。

そんなこんなの懐かしい記憶に浸りながら富岳風穴に到着。ココからいよいよ青木ヶ原樹海に差し掛かる。

Kanban2 入り口に真新しい大きな看板が見えた。ナンだろう。読んでいるうちに、いっぺんに現実に引き戻された。それは自殺防止を呼びかけたものだった。樹海→大自然→野鳥の宝庫の図式が、樹海→人気(ひとけ)が無い→人生の墓場の悲しい現実に変わっていたのだ。

それからの道のりは、樹林を覗くのも何となく気が引けてしまう重苦しいKanban3 ものとなってしまった。さらに道端に果物や花のお供えを見たときには、すっかり気落ちしてしまった。

息子達が未だ小さかった頃、日本人は豊かさを求めて懸命に働いていた。そこそこの豊かさと未来の希望があった。1億総中流という言葉がはやった。

そして今国民の資産は世界有数な豊かな国となり、国庫には埋蔵金とやらナンとやら、数百兆円の資産が積みあがっているという。テレビでそれを得々と報告している元経済閣僚T氏の顔を見ていると、なんとも違和感が沸いてきた。

元はといえば国民の税金である。それを曲がりなりにも余裕のあった頃の各省庁がこつこつと積み立ててきたお金である。郵貯・簡保と同じ運命に晒してはならない。

国民が必要としている時に必要としている人に有効に使ってこそ生きる資金であろう。それなのに、ここ数年政府は日々国民の福祉を削ることに邁進してきた。先日はおにぎりが食べたいと書き残して衰弱死された方もいた。

政治の貧困といわずしてナンと言おうか!

|

« 偽 と 信 | トップページ | 明けましておめでとうございます »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 精進湖:

« 偽 と 信 | トップページ | 明けましておめでとうございます »