« どんぐり | トップページ | 偽 と 信 »

2007/12/10

どんぐり  続

Haitaka  一大ニュースです。今庭の松の木で、ハイタカがヒヨドリ(?)を食べています。近所の里山ではたまに遠目に見た事があるのですが、まさか我が家に飛来してくるなんて思っても見ませんでした。・・・・我が家は深山幽谷か!

さて表題に戻ります。

前回紹介したように、今年のどんぐりの量は尋常ではないのだが、例年の経験だと実生として成長できるのは余り多くはないと思う。春先まだ木々の葉が展開しきらない明るい林床にかなりの芽生えを見る事があるが、葉が展開し林冠が濃緑に覆われると共に、いつの間にか姿を消してしまう。まれに倒木や伐採などでできた陽だまりに幼木を見る事があるだけだ。

一般には、どのように種子を適地に運ぶかの戦略と、かなりの僥倖にその植物の未来がかかっている。現今の主流は果実を動物(主として鳥)に提供し、糞として種子を様々な土地に運んでもらう方式だ。これから新年にかけて目にする事の多い、センリョウ、ナンテンなどに見られる。

次に目に付くのは、タンポポやカエデの仲間のように風を利用してなるべく遠方まで飛ばす方式であろう。(海流を利用する椰子などはその一変形)

ほかにも動物にくっついて運ばれるオナモミ、イノコズチや、自力で飛ばすホウセンカ、カタバミなどもある。

ところがどんぐりの種子散布は少々風変わりである。

♪どんぐりころころ♪ にあるように山の斜面を転がって新天地を探すという事もあるだろう。ある程度の重量と丸みを帯びた形は日本の急峻な山岳部では有効な散布方法であろう。

しかしこれだと一度平坦地に出た場合、新天地を見つける方法がない。しかもどんぐりは見てのとおり果実全体が種子なので一度食べられてしまえば終わりである。何も残らない。

どんぐりを食料とする動物は多い。野ネズミ、リス、カケス、・・・・・。もし彼らがその場で欲しいだけ食べるタイプだったら、どんぐりの未来はなかっただろう。しかし幸いな事に、彼らは貯蓄指向型だった。様々な場所に蓄えたどんぐりの一部は土の中に埋められた状態で残され発芽する。動物とどんぐりのウィンウィン(互恵)の成立である。

縄文文化遺跡の一つに青森の三内丸山遺跡がある。研究が進むにつれ当時の生活の豊かさが色々紹介されているが、ある意味“栗文明”といえるほど栗との結びつきが強かったようだ。直径1メートル余の栗材による巨大建築物。集落を囲む栗林は主食の栗の実の安定供給を確保するためであろうし、ある意味栽培農業の成立を示唆している。人間と栗のウィンウィン成立である。

地球環境の変化で、栗の生育環境の悪化と共にこの地の文明は衰退したようだが、栗を含むどんぐり文化はその後も日本列島で長く健在だったようで、日本の各地に残る里山、雑木林の樹種がコナラ、クヌギなどどんぐりの木が圧倒的に多いのも、縄文文化のDNAかもしれない。

|

« どんぐり | トップページ | 偽 と 信 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: どんぐり  続:

« どんぐり | トップページ | 偽 と 信 »