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2007/12/03

どんぐり

Donguri  この季節、里山を歩くとどんぐりがそこらじゅうに落ちている。しかし今年のどんぐりの数は半端じゃない。強い風の後などに行くと、それこそ玉砂利状態に敷き詰められている。小一時間もかければバケツに1杯や2杯集められそうな勢いだ。これだけの圧倒的量を前にすると、縄文時代の人が主食にしていたというのも納得できる。

 今でも韓国や中国、イラン、地中海地域など世界の多くの地域で食用に利用されているという。どんぐり饅頭、どんぐりこんにゃく、どんぐりうどん、どんぐりパン・・・・。日本でも戦前までは東北地方などにどんぐりの食文化が伝わっていたという。

最近の研究によると縄文期の日本人はかなりグルメな食生活を送っていたらしい。栗やどんぐりの主食。季節の山菜。草木の実(くるみ、野いちご、山葡萄・・・)、きのこ(マツタケ、シメジ、シイタケ、ナメコ・・・)、様々な魚、貝、肉(いのしし、鹿、ウサギ、野鳥・・・)。もちろん農薬、添加物などとは無縁である。

 日本列島では1万年にわたり縄文文化が営まれていたという。大陸から稲作文化を携えて渡来した人たちとも、かなり長期にわたり平和的共存が成り立っていたのだろう。なぜなら、水田適地の湿地帯は、縄文文化の人たちの目から見れば生活にとって、余り好ましくない土地だっただろうから生活の上で衝突は起こらなかったと思われる。

稲作の伝播も江戸時代の初期でさえ、関東平野は芦原に覆われていた事から考えると、かなりゆっくりとした普及速度だったのかもしれない。明治時代にやっと北海道まで到達したぐらいだから、東北地方にドングリの食文化が近年まで残っていて不思議はない。

しかし明治維新後の欧米文化崇拝は戦後、よりいっそう熱を帯び、食文化の長い伝統まで押し流さんばかりの勢いである。小麦(パン、パスタ、ケーキ・・・)対米(ご飯、もち、せんべい・・・)の伯仲戦である。いわんや他の様々な穀物(キビ、アワ、ヒエ等々)はレッドデータ並みの存在となってしまった。もはや日本の食にどんぐりの入る余地は何処にも残っていないように見える。

こんな時、“どんぐりクッキー”を売っている店があるという話を耳にした。早速買いにいってみると、ケーキ屋さんの一角に、マテバシイから作ったというそのクッキーは置いてあった。食べてみたが美味しかった。普通のクッキーと変わりない。私としてはもっと独特の風味を期待していたので少々がっかりしたぐらいだ。

本来、外来文化は在来文化を豊かにしてくれることに意味があると思うので、一つ外来が入ったら、一つ在来が減るのではあまり意味がないと思う。洋食OKである。しかし温暖化防止の観点からも、ご当地で調達できる材料を生かすという意味で、和食が基本の方が合理的だろう。さらに祖先が稲作を知る前に1万年の間大事にしてきたどんぐり食も復活させて取り入れられないものか、思案する今日この頃である。

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