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2008/04/07

カタクリ

Katakuri  東京近郊では時期が少し過ぎてしまったが、今年もカタクリが美しく咲いてくれた。私のお気に入りは、近くの里山の農家の庭先にひっそり咲いている一群だ。以前はこのあたりの里山のいたるところに群生していたという。その貴重な生き残りなのだろう、さして手入れもされていないようだが、春の日差しの中、その一角だけがぱっと華やかに浮き出して見える。

花に比べ葉は迷彩模様であまりさえない。以前スーパーの山菜コーナーで売られていたので買ってみたが、おひたしにすると癖がなく美味しかった。早春未だ新鮮な葉が少ない頃、目だつと動物に食べられるので、林間の木漏れ日模様を身にまとったのかもしれない。

カタクリはユリ科なので球根ができ、それから片栗粉を採ったという。しかしその球根たるや、綿棒の先を一回り大きくしたような感じで、いかにも小さい。全山カタクリに覆われていた時代だからこそ可能だったのだろう。今は名前だけが残り、実際はジャガイモが原料として使われているという。確かに製品の原材料のところを見ると馬鈴薯澱粉と明示してある。

昨今は食物の偽装問題がかまびすしい。牛肉を使わなかったり、くず肉を混ぜたりして廃業に追い込まれた会社もあった。そこの社長さんも、牛肉風味コロッケとか、エコ牛肉製品と明示したら問題なかったような気もするのだが。ガンモドキというれっきとした商品名もあることだし・・・・。要するにウソがいけないということだろう。

片栗粉のように、名前だけ残って実態は変わってしまったものは結構身の回りにある。

私が子供の頃、学校で上履き入れを下駄箱、鉛筆入れを筆箱といっていた。黒板は当時は文字どうり、黒く塗られた板だったが、その後緑色になっても長い間黒板といわれていた。本箱も箱というより棚に近い。

風呂敷も江戸時代庶民が、風呂場の脱衣場で使用したものが一般化したという。洋服も明治時代に西洋風の衣服を呼ぶ呼称だったが、今では日常の衣服の代名詞のように使われている。

物の名前は実態を表すものだが、時にその物の歴史も教えてくれて面白い。

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