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2008/06/12

秋葉原事件に思う

 まずは痛ましい。7人のご冥福を祈りたい。

未来が突然奪われた悲しみは、遺族友人の方々にとって何年経っても決して拭い去る事はできないと思う。第三者にできることは、同様の事件の再発を防ぐことだろう。

このニュースの一報でまず頭に浮かんだ犯人像は、人の命を軽く扱う暴力団関係者か、禁断症状の薬物中毒者かという憶測だった。しかし、時間の経過とともに明らかになっていく犯人像に、私の心は言いようのない苛立ち、悲しみに打ちひしがれた。

25歳、一見好青年風の顔立ち。進学校を卒業後更に専門学校で学び、直前まで働いていた会社の評価も悪くない。“まっとうな時代”だったら、社会の中堅として日本を支えてくれるべき人物であったのかもしれない。それが何故・・・・・。

“人生に疲れた・・・”この言葉は、最近顕著な若者の自殺の時にも良く聞かれる言葉だ。表現はまったく違うが、犯人にとっては自殺の一形態だったのだろうか・・・。

私の息子たちも、就職氷河期の真っ只中に社会に出たので、この間の若者を取り巻く社会状況の厳しさは多少とも見聞している。もし私がこの時代に生まれていたら、人の心を思いやる事ができない“勝ち組”となっていた可能性より、些細なことにつまずいて、“引きこもり”になっていた可能性のほうが強い気がする。

一人の息子は、IT関係に就職した。いわゆるIT土方である。50社以上の入社試験に落ち、大学での専門を捨て一からの出発だったようだ。毎日帰宅は深夜になり、納期に近づくと土日返上だった。当時息子の顔は青ざめ、いつも神経がぴりぴりしていた。私に当たることも多く、休日は一日中寝ていた。

もう一人の息子は、製造業に就職した。当時その会社は業績悪化の中で、給料も待遇も悪かったが、専門を生かしたいと選んだようだった。不景気の海に漂流しているような感じの会社だった。直属の上司は過労死するは、社内で飛び降り自殺者が出るは、社内の雰囲気は暗かったようだ。

“今ぽっくりダービーがはやってるんだ”

若手社員の間でひそかに行われていたらしいが、社内で次に誰が死ぬかに賭けているという。私は唖然とした。

そんな息子の会社にも、好景気の風が吹いてきた。

“始めて部下ができるんだ”息子の声は弾んでいた。しかし半年後息子の口からは嘆き節しか聞けなかった。

その新入社員は、息子の仕事の助けになるどころか、やる気も能力も無く息子の負担を増しただけという。上司も見かねて、派遣社員を増員してくれたらしい。又半年後息子の嘆きが再開した。派遣社員が退社したという。技術もあり、信頼していたので息子には痛手だったようだ。その派遣社員が新入社員の給料明細を見てしまい、プライドをいたく傷つけられたためらしい。

“会社は何で、ダメ新人を解雇し、その有能な派遣を正式雇用しなかったの”

“正社員を首にするのは殆んど無理らしいよ。それに中途採用すると、会社全体の給料体系が煩雑になり、人事係が嫌がるみたい”

今回の事件後、上に述べた息子との会話後感じたやりきれなさが蘇ってきた。その時々の経済状態に個々の会社が振り回されるのは避けがたい点もあるかもしれない。しかしなるべくその不公平を減らし、世代間のギャップを埋めるよう調整するのが政治の役目ではないのか。

今回の事件の対応として政府要人から刃物の規制しか聞けなかった時、私の次回の選挙での態度は決まった。政権党にギルティー(有罪)である。

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