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2009/06/04

雪ツバキ

先週斑尾高原に行ってきた。スキー場として有名というが、私にとっては初めて訪れる地であり、初めての出会いが待っていた。

雪ツバキである。

Bunarin朝東京を出発し、宿舎に着いたのは2時頃だった。夕食までには時間があるし、といって不慣れの地で遠出するには心もとない。そこで宿の近くの林間を歩く事にした。私達以外には人に遭う事もなく朝からの雨が上がったとはいえ、空気はしっとりとして、ブナとミズナラの木立が幻想的な風景をかもし出していた。頭上では聞きなれない鳥の声が飛び交い、足元では、珍しいシダや山野草の芽出しが美しい。

そのうちに緑一色とも見えていた林内の所々に赤い花が咲いているのに気が付いた。近づくとツバキだった。もしかしてこれが以前から見たかった雪ツバキでは・・・。

膝ぐらいの高さであたり一面を覆い尽くしている。花の雄しべの花糸が黄色で、ほの暗い林間では黄金色に輝いて見える。雪ツバキに間違いない!

豪雪に耐え、可憐に咲くけなげな花というイメージがあった。しかし目の前に広がる群落にはYukitubaki_3 圧倒された。しばらく歩くと、林間に真新しい作業道が切り開かれていた。その側面に切り出された雪ツバキの根がむき出していたが、ネット状に何層にも張り巡らされてその所々から若木が芽生えている。豪雪地帯で生き抜く生命力を垣間見た気がした。

そもそもツバキの仲間は、典型的な照葉樹で温暖湿潤な中国西南部を故郷としているという。日本の椿(ヤブツバキ)は、日本列島をはさんで流れる暖流(黒潮、対馬海流)の影響で海岸線に沿ってかなり北まで分布域を伸ばしている。

そして雪ツバキ・・・。豪雪が寒冷、乾燥という過酷な条件からツバキを守り、ツバキ自身も3ヶ月余に渡る積雪という条件に見事に適応して美しい花を咲かせているのだ。

日本人は古来桜と並んで椿を愛してきたという。稲作文明とともに大陸から渡ってきて、様々な気候条件に適応し生活してきた日本民族の生き様そのものに重ねられるからかもしれない。

それにしても最近の日本人の軟弱ぶりは、ご先祖様が見たらさぞや嘆かれるのではないだろうか。

冷暖房完備の日常生活、歩く事の激減、過度の清潔志向(潔癖症?)、渡来人に対する偏見、権威や法律を事実よりもありがたがる、・・・・。

最近は新型インフルエンザの一件で官民上げて大騒ぎである。

このまま行くと細菌戦争での勝敗は、なんとも予断が許されなくなってきているように思われる。

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