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2009/11/13

サギ

 以前上野の不忍池に鴨を見に行った事がある。数もすごいが種類も豊富でなかなかの見ものであった。中にはパンなどをあげる人もいて、鴨たちは上を下への大騒ぎである

 しばらく見た後、池を回って南側に行ってみた。この辺には鴨の姿は殆んどなく、池の中の柵にコサギが一羽止まっていた。時々片足を水面に入れて波紋を起こしている。何をしているのかしばらく見ていると、さっと嘴を水に入れたと思うや、その先に小魚が挟まれていた。

どうやら水面に波紋を起こし、虫が落ちたように見せかけて、小魚をおびき寄せたようだ。

 おぬし、なかなか賢いなと感心したものだ。サギでもこんなサギはにくめない。

 しかし今回の結婚サギ事件、何処をどう見ても不快の念しか沸いてこない。

 始めのうちは、次々と増える被害者の数に背筋の凍るような、しかし怖いもの見たさの好奇心も加わりチャンネルを切り替えて報道を追っていた。そのうちに島根女子大生事件、鳥取連続不審死、千葉の英会話講師殺害事件の犯人逮捕、・・・いい加減に食傷気味になった。

 日本はいつの間にホラーの館になってしまったのか・・・・。

少し冷静になって考えてみた。

千葉の件は、犯人が自分の欲望を抑えきれずに犯行に及び、しかもその責任から逃れようとした事が問題だろう。これは教育の失敗に帰すと思われる。

鳥取の事件は5人の子供を養うために奮闘する肝っ玉母さんのアングラ版とも見える。国の福祉政策の貧困も問われるだろう。

島根の事件は未だ判断材料が乏しくなんともいえない。

さて件の結婚詐欺事件である。今まで結婚サギというと犯人は男で、被害者は女というイメージがあったが今回は逆である。その上被害者が金を騙し取られた上に、命まで奪われるという悲惨極まりない帰結になっている。しかも被害者の数は未だ増える可能性さえあり、身の毛のよだつような事件である。そして加害者が34歳の、一見普通の家庭で普通に育ったようにみえる女性であるという。・・・・絶句する。

彼女が育った時代に目を転じてみた。高校を卒業し東京に出てきた彼女を待っていたのは、女性の性を商品化して何はばかる事のない弱肉強食の世界。就職氷河期とそれに続く時代、若者を使い捨て既特権にしがみつく大人たち。いんちき金融商品を高格付けして売りさばく金融界、傘下の子会社と契約社員の血と汗と涙を搾り取り、内部留保と自分達の報酬を積み上げる企業幹部、・・・・・。

こういう社会で勝ち組になるために、容貌も学歴もぱっとしない、虚栄心が強い一人の女の生き様・・・・。彼女は日本がこの間通過してきた社会の合わせ鏡なのかもしれない。

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